Dクリニックを支援される方々へ
・前々回のブログ「虚偽の情報サイト」で、北青山Dクリニックのマイナス情報を意図的に掲載している某サイトの件をコメントしました。
・そのサイトは下肢静脈瘤の患者さんの口コミ情報を掲載していると謳っておりますが、北青山Dクリニックに対してのみ点数の低い口コミ評価を掲載しています。
・他に掲載されている2か所の医療機関は非常にすぐれた評価が下されています(そのうちの一つのクリニックの先生は開業前にDクリニックの日帰り治療法を見学にいらしたことがあります)。
・明らかに不自然な、意図を感じる、情報掲載のように見えます。
・北青山Dクリニックでは定期的に治療を受けた患者さん方にアンケート調査を行って学会報告しています。
・そのアンケート調査では、患者さんから毎回非常に高い治療満足度が得られており、そのサイトに掲載されている情報は虚偽情報ではないかと、サイト制作関係者に問い合わせの電話、メールを何度かしました。
・しかし、何ら明快な解答もなく、そのサイトは依然それらサクラと思われる情報を掲載し続けています。・医療情報に関してインターネットで検索することは今や常識的なことであり、下肢静脈瘤治療を行う医療機関が激増中の昨今、患者さんやそのご家族は複数のホームページをしっかり読みこんで、信頼できる医療機関を受診しようとされています。
・ホームページが氾濫する中で、他医療機関の中傷を続けるサイトが存在するのは非常に残念なことで、今回は我々が中傷のターゲットになっており、この上なく遺憾です。
・ついこの間までは、このサイトに北青山Dクリニックの治療実績が無断で掲載されていました。
・また、サイトの運営に関与する卸メーカーが、国際静脈学会で、レーザー販売のための広告としてDクリニックの学会発表内容を、無断で使用していたこともあります。
・これら一連のモラルや常識に欠く行いに対して、北青山Dクリニックでは、無断掲載を止めるようサイトの運営責任者に申し入れたことがあります。
・しかし先方は、何ら対応せず、掲載中止の申し入れを逆手に取って、平成20年秋口から現在に至るまでマイナス情報を掲載し続けております。
・この6カ月の間、虚偽と思われるマイナス情報を流し続けており、それは、北青山Dクリニックの名誉を毀損する行為です。
・しばらく静観しておりましたが、北青山Dクリニックを日頃から支援していただいている方々からの促しもあり、今回コメントさせて頂きました。
最先端各種レーザー比較試験実施
下肢静脈瘤血管内治療に用いられる昨今のレーザー機種は非常に進化しており、ほぼ完成型と言える機種が数機種認められます。すなわち、レーザー治療が開始された当初は、機器によって治療効果に大きな違いが認められましたが、最近はレーザーの機種の違いよりも、治療を担当する医師(血管外科医)の技量(手術適用・治療法選択における手腕・治療経験)が治療成績を決める大きな要因と言えるでしょう。
Dクリニックは1320nmのNdYAGクールタッチレーザーで今まで1000例以上の下肢静脈瘤治療を行っており、その治療成績および患者満足度は極めて高いことを国際学会や国内の学会で報告してきました。ただし、最近、他のレーザー機種で、1320nmレーザーより使い勝手に優れ、レーザー照射時間も短くて済むものが登場してきました。そこで、それら最新型のレーザー治療の治療効果の比較テストを行いました。手術で採取したヒトの静脈血管の中に血液を注入して実際の体内の状態に模した血管モデルを作り各種レーザーの照射テストを行って血管の内膜・中膜・外膜の変化・ダメージを肉眼で確認し、病理組織学的にも比較検討しました。
その結果は、980nmダイオードレーザーや2000nmレーザーが、1320nmのレーザーと同等もしくはそれ以上に有効な治療効果を示し、かつレーザー照射時間がより短くて済むことがわかりました。
1320nmも含めて血管内レーザー治療の長期的な治療効果に対する検証は継続していく必要がありますが、血管内レーザー治療を4年前より積極的に取り入れ、国際的にも有数の実績を誇っている立場※から、現時点では2000nmのレーザーを最も有望視しています。
<解説>
現在日本で大きなシェアを誇っている1320NdYAGレーザーの他には
① 980nmダイオードレーザー
② 1470nm半導体レーザー
③ 2000nmレーザー
などがあり、いずれも治療効果は保証されています。それぞれの波長で水、血液への吸収率が異なるため、レーザーの波長が治療効果に大きく影響すると判断されておりますが、レーザー機種は複数の会社で完成型と言えるレベルのものを提供してきており、現在はより良いレーザーを選択することは勿論ですが、それ以上に、確実で合併症がなく短時間で治療が行えるよう治療のソフト面の工夫や改良が極めて重要となるでしょう。
テレ朝スーパーモーニングの質問へ回答
先日、テレビ朝日スーパーモーニングの取材でDクリニックの治療を取材していただきましたが、番組でコメンテーターの鳥越様が質問された「下肢静脈瘤の予防法」について回答した内容を転載します。
コーナーの後半でコメンテーターの鳥越様が「下肢静脈瘤の予防法」について詰問されておりましたが、私のアドバイスが不十分だったのかもしれません。下肢静脈瘤は、一旦発生すると自然には治らず確実に進行しますので、その予防法は、視聴者の方にとって非常に重要なテーマだと思います。改めて解説させていただきます。
肉眼的にボコボコとした典型的な下肢静脈瘤が発生・進展する機序は、下記の如く概説できます。
① 何らかの原因で深部静脈の内圧が高まり、表在静脈が深部静脈に合流する部分の逆流防止弁にかかる血液圧が上昇する。
→② その逆流防止弁が破綻する。
→③ 深部静脈の血流が表在静脈に流れ込む(逆流)。
→④ 逆流した血液は、末梢血管内の逆流防止弁をドミノ倒しの如く破壊する。
→⑤ 逆流した血液により表在静脈が膨らみやすい箇所から膨らむ。
→⑥ 深部静脈からの逆流量は徐々に増えていき、下肢静脈瘤の症状は徐々に進行する。
②が発生してしまうと下肢静脈瘤の症状は一方向に進展してしまいます。圧迫ストッキ
ングを履くことは⑤を抑えて、症状の進行を遅らせることにはなりますが、①→②以下を完全に止めるものではありません。実際、弾性ストッキングは厚手のため夏場は着用しにくく、厚力が強いために脱着が大変で日常的には使用しにくいので、全く下肢静脈瘤の無い人にとっての予防法としてはあまり適切ではありません。ただし、増大した子宮のために深部静脈の圧が高まっていて、かつホルモンの影響で血管が柔らかく膨らみやすい妊婦さんにはマタニティ用の圧迫ストッキングを着用するのは下肢静脈瘤発症予防の点で非常に有効です。
予防法として最も重要なのは、①の深部静脈圧が高まって表在静脈が深部静脈に合流する弁への血液圧が高まらないようにすることです。
そのためには、まず、血液自体が重くならない、すなわち血液中の水分が枯渇したり、血液の粘度が高くならないようにすることが重要です。つまり、脱水にならないように十分に水分を摂取する習慣をつける、ドロドロの血液にならないように緑黄色野菜を豊富に含んだバランスの取れた食生活に心がける、感染症にかからないようにする、などがポイントになります。
また、腹圧があがると深部静脈の圧が高くなりますので、太り過ぎないようにすることも重要です。深部静脈の圧には重力も関与します。立ちっぱなしの時間が長すぎるのも避けるべきです。
そして、脚の筋肉は第二の心臓とも呼ばれるように、脚の深部静脈の中にたまっている血液を筋肉のポンプ作用で心臓に押し戻す作用があります。その意味で脚の筋肉を衰えさせないようにすることは非常に重要です。番組で提案されていた足台昇降も良いですが、毎日のウオーキング(30分程度)の励行で十分筋力維持に繋がります。水中ウオーキングができれば尚更ベターです。浮力の影響で血液は軽くなり、水圧が血管のふくらみを抑え、水中歩行では陸上歩行よりも筋肉の収縮が強く求められるので合理的に筋肉が補強されるなど、水中は下肢静脈瘤の予防環境としては理想的な要因を多くもっています。エコノミークラス症候群は下肢静脈瘤の発症にかかわる可能性があります。狭い所でじっとしているのは良くありません。長時間飛行機に乗るときは足首をまわす、座ったままでも踵(かかと)の上げ下げを行うのも有効な予防法になるでしょう。
まとめますと、
① 脱水にならないよう十分水分を取る。
② 緑黄色野菜を十分に含むバランスの取れた食事に心がける。
③ 免疫力を下げないように十分な睡眠をとりストレスを避ける。
④ 太らない。
⑤ 立ちっぱなしを避ける(歩き回ったほうが良い)。
⑥ 毎日30分のウオーキングを励行する(水中歩行は尚ベター)。
⑦ 狭い所でじっとする状態を避ける。そのような時は足首を回したり、踵の上げ下げをしたり、背伸びをしたりなどして、脚・腹部の筋肉を動かす。
が、ポイントになります。
今後も医療に関することで何かございましたらお気軽にご相談下さい。
北青山Dクリニック院長
阿保義久
最新レーザー治療でも再発率高い?!
約10年前から米国では下肢静脈瘤レーザー治療が行われていましたが、開発当時のレーザーによる治療は、出血や疼痛が大きく、従来型の手術と比べて特に進化した治療といえるものではありませんでした。以後、レーザー機器は格段に進化し、従来の血管を抜き去る手術(ストリッピング手術)に比べて、傷口が目立たないばかりか、出血や痛みが少なく治療効果も高い進化した治療機器として発展してきました。
しかし、どんなにレーザー機器が進化しても、手術を担当する医師の手術手技によってはレーザー治療による再発率が大きくなることもわかってきました。
980nmダイオードレーザーや1320nmパルスヤグレーザーは下肢静脈瘤のレーザー治療機器としては完成モデルといえ、これらを用いて適切な治療を行えば、術後の回復の早さ、安全性、治療効果などにおいて従来の手術に比べてきわめて高いクオリティーを体感できるようになりました。
今後はレーザー機器のスペックを求めるよりも、いかに術者が安全で治療効果の高い治療法を採択するかが鍵になっているといえます。しかし、レーザー業者は営利を求め続けるがために常により新しいレーザーを開発・販売する必要があり、下肢静脈瘤レーザーに限らずシミ治療など美容皮膚科領域のレーザー治療機器は既に完成モデルが作られた後も、毎年新しいレーザーが作り続けられ、饒舌なまでに余分なスペックが加えられた新しいレーザーが登場してきています。
下肢静脈瘤のレーザー治療に関しては、今後ポイントとなるのは、レーザーのスペックよりむしろ術者の手技・技量です。現に、同じレーザー機器を用いても医療機関によっては治療成績が著しく異なる可能性があり、不適切・不十分な手技・技量によるのであれば、どんなにレーザー機器が新しくても治療後の再発率が高くなる可能性があります。
昨今、我々と同じレーザー機器を用いて治療した成績で2年後の再発率が20%を超えたという報告を目にしましたが、これは考えられない程、高い数値であり、高性能のレーザーを用いたにも拘らず不適切な治療手技を選択したためであると考えられます。実際、私が担当したレーザー治療対象患者で、術後2年以上経過して再発したのは1例も報告されていません。
適切な治療のポイントの一つは、静脈瘤の逆流点の起始部の処理をしっかり行うことだと考えられておりますが、その手技は手間がかかり、しっかりと処理をするのには多少困難を伴うこともあるため、簡易なレーザー治療を求める先生方の多くはその肝心な処置を回避して末端からレーザー処置を好む傾向にあります。
この手技は確かに術者にとって手間が少なく手術時間も多少短くて済みますが、当初から、再発率が高くなることと、人為的に発生した血栓が肺に飛ぶリスクが懸念されていました。
今まで、血栓が飛んだケースは報告されておりませんが、その簡単な手技による再発例が多く報告されています。血管外科医としては極めて基礎的な手技である逆流点の処置をおろそかにせずに、レーザー治療ゆえに尚更のこと根治性と安全性を重視した治療法を選択する必要があると判断します。
治療を受ける皆様は、レーザー治療後の再発率などに関する成績を予め各医療機関に確認してから、治療に進まれるようお願いします。
最先端の下肢静脈瘤治療を受けるには
最先端の下肢静脈瘤治療を提供できる医療機関はまだまだ少ないのが現状です。そして最新の治療法に関しては多くの医療機関で経験が少ないのは止むを得ないと思いますが、誤解を招く情報や誇大表現を宣伝文句に使っている医療機関があるようなので注意が必要です。
下肢静脈瘤治療に関する治療法・治療技術の変化は目覚しく、今まで治療に躊躇されていた方々が治療に踏み切るケースが大変増えてきました。下肢静脈瘤は、悩まれる患者さんの数が非常に多いのに対して、患者さんのニーズに対応できる医療機関が少ないのと、一方で、実績が無くてもインターネットなどで誇大広告を掲げる医療機関の情報に患者さんが混乱し、最良の治療を享受できないケースが散見されます。古いレーザーを使用しているにも拘らず先端レーザーを使用しているように誤解を招く情報を流したり、米国の最新の医療を導入しているという宣伝文句で中身が伴わない医療機関などに対するクレームの声が患者さん方から聞かれます。下肢静脈瘤の治療法の進歩は目覚しく、経験豊富なドクターが適切な治療機器で丁寧に治療すれば非常に高い治療効果と治療に対する高い満足度が得られています。折角の良い治療法が、誇大広告や不十分な治療法で提供されて患者さんの誤解を生み、かつ患者さんに不利益が生じるとすれば非常に残念なことです。
下肢静脈瘤はその症状のバリエーションが豊富で、治療が複数回必要なものもありますが、適切なレーザー機器が出現してから、細かいものから大きいものまで殆ど全てのタイプの静脈瘤に外来治療で対応することができるようになりました。しかし静脈瘤はその性質上治療期間がのべ数ヶ月以上必要になることもあり、経験豊富な血管外科医が丁寧に管理しないと治療効果が不十分になる恐れがあります。また、最新の治療法は米国や欧米の機器を用いますが、日本人と欧米人では、体質や皮膚質が大きく異なるので日本人には日本人に最も合った治療法(レーザーの種類・出力)が選択されているかどうかということも重要です。
下肢静脈瘤の症状に応じて使用する先端レーザー機器は異なります。以下に簡単に解説します。
①足首周囲や、太もも、ふくらはぎの周囲など脚のいたるところに発生する赤、青の細かい血管いわゆる網目状、くもの巣状の静脈瘤には、体外照射タイプのロングパルスYAGレーザーやIPL(スーパーフォト)を用います。脚全体を処置する場合は1時間程時間を要します。処置後速やかに帰宅でき生活制限はありません。数回に分けて処置が必要になることがあります。このタイプは硬化療法という注射の治療で対応できる場合もありますが、硬化療法は細かい静脈瘤には不向きなのと処置の後暫く弾性ストッキングをはかなければいけないこと、処置後色素沈着(しみ)や硬いしこりが暫く残ることなどのデメリットがあります。レーザーはこれらのマイナス面を解消した画期的な治療法です。
②ふくらはぎ、膝下から太股にかけてのボコボコとした血管いわゆる伏在型の静脈瘤は、血管内レーザー(エンドレーザー)を用います。エンドレーザーとしてはロングパルスYAGレーザーが優れものです。逆流点の血管の処理をするか、それを省いて簡単な処置のみにとどめるかは、医療機関によって差があるところです。安全で根治性の高い治療法が提供されているかどうかがポイントになります。このタイプの静脈瘤に対する従来からの治療法は病的な血管を取り除く(抜去する)ストリッピング手術と呼ばれるものですが、これは一般病院では入院が必要だったり神経損傷など体へのダメージがレーザーよりも大きくなります。適切なレーザーを用いて適切な血管の処理をすることにより、高い治療効果が得られ、かつ手術後すぐ帰宅でき、術後の生活制限も殆どなく社会復帰することができるようになっています。
以上、症状に応じて複数のレーザー機器を使い分ける必要があり、それぞれのレーザー機器も、程度や人種差、個人差に応じて、臨機応変に設定や手法を変えなければいけません。医療機関によって治療内容や結果に差異が生じる可能性がありますので注意が必要です。

