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治療に関する学会発表資料

当院阿保義久院長が2015年7月11日、第35回 日本静脈学会で「伏在型下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術後7-9年経過例の治療成績」についての発表を行いました。

下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術EVLAは、近年急速に普及し多くの医療施設で実施されるようになりましたが、その長期成績についての報告は十分でありません。

北青山Dクリニックにおいて2005年から10年にわたってEVLAを経験してきた立場から、術後7~9年経過した症例の長期成績をストリッピング手術との比較を交えて検証しました。

その結果、治療後遠隔期において、EVLA、ストリッピング共に生活の質は改善し、改善度はEVLAの方が優れていました。EVLA、ストリッピング共に相応に再発を認めましたが再発率に有意差はありませんでした。再発形態では、EVLAはストリッピングに比べて、末梢分枝が有意に多く、不全穿通枝と血管新生が有意に少ない、ということが検証されました。

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伏在型下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術後7-9年経過例の治療成績

第40回日本血管外科学会学術総会(2012年5月24日)発表原稿

背景

下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術EVLAは、近年急速に普及し多くの医療施設で実施されるようになりましたが、その長期成績についての報告は十分でありません。 私たちは、2005年から10年にわたってEVLAを経験してきた立場から、術後7から9年経過した症例の長期成績を検証しました。

当院の治療成績

当院は2000年から外来でストリッピング手術を提供し、2005年/波長1320 nm、2008年/2000nm、2011年/980nm、そして2014年に1470nmレーザーラディアル2リングファイバー及びRFを導入して、約1000例の外来ストリッピング手術と6500例の血管内焼灼術を経験してきました。

目的

過去の検証及び、文献的考察を踏まえて、伏在型下肢静脈瘤に対するEVLAの長期治療成績をストリッピング手術と比較検討することを目的としました。

対象(円グラフ)

調査対象は、2005年1月から2007年12月まで当院で下肢静脈瘤治療を施行した全症例、651名880肢です。
平均年齢54.5歳 男女比1:2、平均CEAP 2.8、SMV/SPV比は719:161でした。

対象内訳

遠隔期において診察・検査が可能であったのは、EVLA群55名、76肢、ストリッピング群24名 33肢 でした。

治療内容

EVLAの実施基準は、不全穿通枝がなく拡張径6㎜未満のものは穿刺によるEVLAのみを行い、それ以外はEVLAに高位結紮を付加しました。
ストリッピングでは当初から私たちはTLA麻酔を使用せず、静脈麻酔深度を一時的に深めることで選択的抜去切除を実施しました。

検証方法

EVLAおよびストリッピング手術を施行された患者の術前及び観察時における生活の質をAVVQスコアにより評価し、観察時の再発の有無・再発形態を両群で比較検討しました。

結果 AVVQスコア


AVVQスコアは、EVLA、ストリッピング両群で改善が見られ、EVLA群の方で改善度が有意に大きい結果となりました。

結果 再発率

EVLA、ストリッピング両群ともに相応に再発が見られ、有意差はありませんでした。

結果 再発形態


再発形態については、EVLAはストリッピングに比べて、末梢分枝による小さな再発が有意に多く、不全穿通枝や血管新生による比較的大きな再発は有意に小さいという結果になりました。


遠隔期における治療満足度調査


術後9年以上の遠隔期における患者の治療満足度調査では、EVLAでは90%、ストリッピングでは82%が満足またはやや満足と回答しました。

まとめ

以上より、治療後遠隔期において、EVLA、ストリッピング共に生活の質は改善し、改善度はEVLAの方が優れていました。EVLA、ストリッピング共に相応に再発を認めましたが再発率に有意差はありませんでした。再発形態では、EVLAはストリッピングに比べて、末梢分枝が有意に多く、不全穿通枝と血管新生が有意に少ない、という結果になりました。

結語

伏在型下肢静脈瘤に対するEVLAの長期成績はストリッピングと比較して、同等ないしはむしろ良好でした。今後は、再発を抑える治療法の開拓など更なる治療技術の向上が求められると考えます。

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