下肢静脈瘤レーザー治療センタ― 院長ブログ 〜手術室と診療現場より〜

下肢静脈瘤根治的日帰り治療なら北青山Dクリニック。

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保険診療/ 自由診療/ 混合診療

   

保険診療/ 自由診療/ 混合診療
医療費は、薬剤費、医療材料費、手術費、検査費などで構成される。その医療費の相当部分(日本の場合は7-9割)を公的な財源からあてがうことで患者さんの自己負担を減らせるのが保険診療、医療費全額が自己負担となるのが自由診療である。保険診療は公的に認められた医療に対してのみ許可され、最新の医療など認可を受けていない医療は自由診療となる。混合診療とは一連の医療行為の中で保険診療と自由診療を併用することをいう。すなわち、医療費の一部は保険でカバーされ、自由診療部分は自費となる。
標準的な医療を保険診療でカバーしている日本の国民皆保険制度は、世界に名だたる医療システムといえる。一方、保険で認められていない自由診療を保険診療に併用することは当局から認められていない(混合診療禁止のルール)。そのため、従来の保険診療に加えて保険認可の取れていない最先端の医療を享受するには、本来は保険で賄える診療部分も含めてすべての医療費を自費診療としなければいけないという、非合理的な制度に支配されている。                                               
2002年1月26日に放送されたNHKの「インターネットディベート」という番組でテーマとして「医療改革」が取り上げられ、北青山Dクリニックが取材を受けた。当時は胃に感染し胃癌の発症リスクを増やすヘリコバクターピロリ菌の除菌が保険適用で完全にカバーされていなかった。最先端医療をできるだけ早く患者さんに提供したいという思いから、混合診療禁止ルールの非合理性や弊害を唱える立場で出演した(一方、医師会は現在と同様に混合診療禁止を主張していた)。医療の進歩は日進月歩、まだ国内で保険認可が認められていない治療でも国際的には安全に治療が行われているものが数多くあり、それを自由に患者さんに提案できない混合診療禁止ルールを窮屈に感じざるを得なかった。混合診療を禁止することの本音は、保険診療という看板の下、旧態依然とした医療の提供を継続し既得権益を守ることだと理解していた。
TPPへの参加が議論される昨今、国外からの混合診療解禁を求める声が高まっていることから、そのメリットデメリットについて議論される機会を多く目にする。
混合診療解禁により、最先端医療を受ける機会が増え、医療の発達に繋がるということからメリットが大きいとする見方がある一方で、十分に科学的根拠が確認されていない質の低い医療が利益追従のために広がる、当局が保険診療枠を狭めていく可能性が示唆されるなどのデメリットを主張する立場もある。
医療は日々進化し続けるので、新しい有効な治療は日常的に生まれており、保険診療の認可がそれに追いつかない事態が度々発生する。常日頃から新しい医療技術を習得し、最良で最高の医療を提供し続けたい立場からは、混合診療解禁は大きなメリットだと感じる。患者さんにとって高品質の医療を合理的に提供しやすくなるからだ。しかし、しっかりと吟味されていないにも拘らず有効であるかのように見える新しい医療を営利目的で自費診療として安易に進める医療機関が増える、高騰し続ける国庫依存の医療費を削減するために当局が保険診療枠を狭める、などがデメリットとして懸念される。混合診療が有機的に機能するには、前提として、医療業界が利益追従のために安易な自費診療を展開しないこと、当局が新しい医療機器や医薬品の許認可を科学的に正しい判断のもとで速やかに行い続けること、患者さん側は医療の正当性を評価する眼を養うこと、などが求められる。これらが確保されなければ、混合診療解禁により、質の低い医療が広まり保険給付範囲内の医療が狭まるなどの事態が起こりやすくなる。
医療を行う側と医療を管理する側が性善説に則って医療を受ける側に最善の医療を提供することが保証されるなら、混合診療により患者さんは最良の医療を受けられ医療も発展するわけだから、その解禁は自然であると個人的には考えている。しかし、現状でも正しい医療に対して保険認可が必ずしも速やかに行われていないことを考えれば、混合診療解禁により新しい有効な医療の保険認可がさらに遅れることが危惧される。それにより最良の医療を受けたくても受けられない層が増えることになる。それを回避するには、混合診療を解禁しても有用な医療は速やかに保険適用される国家レベルの仕組みを構築しなければならない。
北青山Dクリニックは保険医療機関だが、有効性・安全性が確認された最先端医療は積極的に導入する立場を2000年の開業以来貫いており、現時点で、自由診療として波長2000nmの下肢静脈瘤レーザー治療、椎間板ヘルニアレーザー治療、癌に対する遺伝子治療(RNA干渉療法/CDC6shRNA治療)、病気を予防し心身ともに健康を保つことに注力するアンチエイジング医療など、医療者として提供する意義が大きい最先端医療に取り組んでいる。
混合診療の解禁が成されても成されなくても、医療に真剣に取り組み最善かつ最新の医療技術の習得に余念のない医師陣の力を結集して、北青山Dクリニックは、医療現場で主役である患者さん方に現時点でベストの医療を引き続き提供していきたいと考えている。

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