下肢静脈瘤レーザー治療センタ― 院長ブログ 〜手術室と診療現場より〜

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下肢静脈瘤治療とこむら返りの関係

      2018/10/31

下肢静脈瘤の診療を担当している医師であれば、こむら返り(足がつること)が下肢静脈瘤の典型的な症状で、治療によって劇的に改善されることをしばしば経験しているはずですが、このことは一般にはあまり知られていません。
もちろん、こむら返りは下肢静脈瘤のみで発生するわけではなく・激しい運動に伴う筋疲労・脱水・電解質異常・腎機能障害・甲状腺機能障害・妊娠・脊髄性疾患・多発神経炎など、その原因は様々です。ただし、発症するメカニズムについて詳細は同定されていません。

こむら返りは、端的に表現すると「無意識に発生する筋肉の持続的・強直的な収縮(攣縮:痙攣性の収縮)で激しい痛みを伴う状態」です。こむら返りが発生すると、その部位の筋肉は難く収縮して膨隆します。症状は数秒から数分は持続します。激しい運動の後や睡眠中に発症頻度が多いのが特徴です。筋肉に付着している運動神経終末の過興奮が原因と考えられていますが、その病態生理はよくわかっていません。

ただし、背景に血行障害を伴うとこむら返りが起こりやすく、また重症化することは経験則的に良く知られており、動脈の疾患(閉塞性動脈硬化症)、静脈の疾患(下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、静脈機能不全症)のいずれでも誘発されます。すなわち、血行障害(循環不全)が神経そして筋肉の異常興奮の誘発に関与していることが示唆されています。特に、下肢静脈瘤は罹患人口が多いのでそれが原因で日常的にこむら返りに苦しんでいる方は非常に多いと言えます。
下肢静脈瘤の病態は、表在の静脈の逆流防止弁が何らかの原因で壊れて(弁不全)本来心臓に戻って来るはずの静脈が足先の方に逆流して末端の静脈を壊し、血液が心臓に回収されずに足に溜まって循環不全に陥ることが基本にあります。しかし、その治療は単純で、逆流した病的な血管を除去するか、除去しないまでもカテーテル及びレーザーファイバーなどを用いて血管を閉鎖して逆流を止めるだけです。弁が壊れて逆流を来す静脈は通常1-2か所のみで足にはそれ以外の正常な静脈が無数にあるため、発生している逆流を無くすだけで血液循環が瞬く間に正常化します。
最近の下肢静脈瘤の治療は、レーザー、高周波、医療用瞬間接着剤などを用いた極めて低侵襲かつ単時間で実施されます。長年、苦しんできた毎晩のこむら返りが、10分程度の治療で完全に消失するということが普通に起こり得るのです。治療を怖がって何年も放置していた患者さんが、下肢静脈瘤の日帰り治療を受けて口々にもっと早く治療をすれば良かったと話されます。

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