下肢静脈瘤レーザー治療センタ― 院長ブログ 〜手術室と診療現場より〜

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ベノクローズ(スーパーグル―治療)希望患者さんからの質問

      2018/02/02

本日、スーパーグル―治療(ベノクローズ)を希望される方からのお問い合わせをご紹介します。
ブログにご質問いただいたそうなのですが、回答が遅くなり大変失礼しました。

以下、ご質問を引用します。

グルー希望の患者です。2017/07/27ブログについて補足説明お願いいたします。問1.「グルーは複数の種類があり」VenaSeal、Varicloseの2種類があることは知っていますが、それ以外の接着剤も存在するのでしょうか?問2.「どのグルーを選択するかによって、その接着力や接着速度が異なります。」これは一般には提供されていない情報です。S医師から接着速度はVaricloseのほうがはるかに早く、治療時間が短くてすむと聞きました。(ただ、S医師はVaricloseのほうがVenaSealよりもよいとは言っていない。)接着力も1.Variclose 2.VenaSealの順でよろしいのでしょうか?接着力と接着速度についての正確な情報をお願いいたします。

問3.「どのグルーを選択するかによって、接着後の血管の硬さなどが異なります。」どれぐらいのつよさで、どれくらいの間バリバリになるのですか?強度と期間をVaricloseとVenaSealとに分けて、教えてください。

問4.阿保院長としてはVaricloseとVenaSealのどちらに優位性があると考えていますか?わたしは新しいだけ、Variclose優勢かな。どちらもカテーテルぶっといな。東洋人には不適合とみています。ただ単に一般人の常識から。

以下ご質問にお答えします。

回答1.
現在下肢静脈瘤治療で用いられるグル―治療剤はVenaSeal、Varicloseで用いられているもののみですが、そもそも医療用接着剤(スーパーグル―)はシアノアクリレートをベースにした①オクチルシアノアクリレート ②nブチルシアノアクリレート ③オクチルブチルシアノアクリレートの3種類があります。 Venashealは①、Varicloseは②です。③は一般的には血管内治療には用いられていないものです。

回答2.
以前、当院のスタッフ達と、各接着剤を用いてex vivoで接着速度、接着力の検証をしました。接着速度は圧倒的に②(すなわちvariclose)が速く、血液と接触してから極めて短時間で強固な凝固反応が見られました。また、長期的な接着力は比較が困難ですが、短期的な接着力も①に比べて②が優れている印象を受けました。

回答3.
接着剤が固まった後の硬さは、硬い方から②③①の順になります。すなわち、variclose が最も硬くなるようです。ただ、下肢静脈瘤治療でのスーパーグル―治療の位置付けは、「拡張径の極端に大きくない静脈瘤の治療」になりますので、標準的な静脈瘤の治療に用いられている限り、治療後1-2か月後の経過では、処理された血管の硬さに①②で差異は殆どないと考えられます。

回答4.
Venashealは 米国FDAの認可を受けているのでその安心感はありますが、治療時間の短さや閉塞性では②に分があるように思えます。脳動脈奇形や胃静脈瘤の血管内治療においては国内でも既に②が用いられているようです。カテーテルを挿入する際に使用するシースは既製のものでは6Fr以上でやや太めですが、マイクロカテーテルを用いれば3-4Frの太さで対応可能です。この太さは現在標準治療と考えられているレーザーや高周波治療で用いるシースより細いものになります。その意味で、スーパーグル―治療(当院ではべノクローズと呼んでいますが)は、東洋人でも問題なく使用できると判断していますが、長期経過例が無い点、未知の副反応が出る可能性が否定できない点など、実際の使用においては慎重な対応が必要と判断しています。当院のスタッフが当院でベノクローズ治療を受けて1年が経過しました。術中、術後と極めて順調で、日常生活も支障を来していません。仕事も術直後から全く問題なくこなしています。

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