下肢静脈瘤に関する海外の論文

大伏在静脈瘤に対するストリッピング手術後の静脈血栓塞栓症の予防

研究の概要

大伏在静脈瘤に対するストリッピング手術を受けた患者さんに対して静脈血栓症の予防の必要性の分析をし、異なる抗凝固療法の有効性と安全性を確認するために、単一施設での大規模無作為化比較試験を実施した。大伏在静脈瘤に対してストリッピング手術を受けた計2196名の患者を以下の術後静脈血栓症予防プロトコールの各群に無作為に割り当てた。

  • グループA:静脈血栓症の予防を全く実施しない(542名) 
  • グループB:低用量の未分画ヘパリン計125U/kgを1日3回に分けて皮下に注射(531名)
  • グループC:低分子ヘパリンを6000IUを1日1回皮下に注射(573名)
  • グループD:低分子ヘパリンを4000IUを1日2回皮下に注射(550名)

術後1か月での静脈血栓塞栓症と明らかな出血の発症について群間比較した。静脈瘤の受傷度はCEAP分類に拠った。患者の臨床面での特性は各群で変わらなかった。術後の深部静脈血栓症(DVT)と肺梗塞(PE)はグループB(DVT 0.56% PE 0%)、グループC(0.35% 0%)、グループD(0.36% 0%)に比べてグループA(5.17% 1.48%)が顕著に発症数が大きかった。静脈血栓塞栓症の発症率は、積極的に抗凝固療法による予防を行った3群においては違いがなかった。合併症としての出血の発症率はグループBのみが高く他のグループは低かった(グループA 0.18% グループB 0.75% グループC 0.17% グループD 0.18% p<0.01)。術後出血は、グループA、グループC、グループDで違いはなかった。結論として、大伏在静脈瘤ストリッピング手術後の合併症である静脈血栓症の発症は、術後の抗凝固療法により予防できる。戦略的に抗凝固療法を投与した3群において静脈血栓症発症予防効果に差はなかったが、未分画ヘパリンを1日3回に分けて投与した群のみ術後出血の発症数が増大した。

ジャーナル

Postoperative prophylaxis of venous thromboembolism(VTE) in patients undergoing high ligation and stripping of the great saphenous vein (GSV).

Vasc Med 2015 Jan 19