取材記事からの有益情報

今年こそ素足に自信!

夏を目の前にして素肌を露出する機会が増えるこの時期、悩みのタネになるのが「あし」(足と脚)のトラブルです。年を重ねるほど病気は慢性化しやすいので、そこで、つま先からふくらはぎまで、部位別に効果的なセルフケアと最新の治療法を徹底研究。
今年こそ長年の悩みを解決して、あしに自信を取り戻しましょう。

パンパンに張ってだるくなる脚のむくみ

“足裏ウォーク”とさらさらマッサージ
夕方から脚がむくんでだるくなるのは誰にでも起こる生理的な現象。30-40歳代以降になると、これがひどくなったと感じる人が多いようです。
その理由は主に二つ。一つは女性ホルモンの分泌が減ってお腹の脂肪が増え、腹部の太い静脈がその重みでうっ滞しやすくなること。これは妊娠すると脚がむくみやすくなるのと同じです。そして、もう一つはふくらはぎの筋肉が落ちて脚の静脈を流れる血液を押し出すポンプ作用が低下することです。
対処法としておすすめなのが、ふくらはぎを使って歩くこと。「歩いているのにむくむ」という人は、歩き方を見直してみて。「漠然とぺたぺた歩いてもふくらはぎの筋肉はほとんど使いません。かかとから着地し、足の指で地面をパンと蹴り出すように歩くのが、筋肉を使う歩き方です」と濱本さん。歩けない状況下では、脚を椅子に乗せて高くし、足首からひざに向かって両手でそっとさするようにマッサージするのもおすすめ。これは皮下の浅い部分に広がるリンパ管の流れを促進するテクニック。「表面を優しくなでるだけでも良く、凝りをほぐすように強くもむ必要はありません」
北青山Dクリニック院長の阿保義久さんは、「大きく背のびしたり深呼吸して、胸を上下させるだけでも、脚の静脈血の戻りが良くなり、むくみが改善する」とアドバイスします。
静脈を外側から圧迫して筋ポンプ作用を補助する弾性ストッキングも効果的。立ち仕事が多い日に使うとむくみがぐんと軽減するのを実感できるはず。脚の静脈で血液がうっ滞する下肢静脈瘤の対策としても有効です。ただし、中には心臓のポンプ機能の低下や肝機能障害、腎不全、あるいは甲状腺機能低下症といった病気でむくむ場合も。おかしいなと感じたら、内科で病気の有無を調べましょう。

なぜ脚がむくみの?

脚の太い静脈はふくらはぎの筋肉の中を通っていて、筋肉が動くことで血液が心臓に送り返される仕組みになっている。座りっぱなしや立ち仕事で脚がむくみやすくなるのは、筋肉のポンプ作用が働いていないから。

むくみの予防と改善法

1、足裏全体を使って歩く
ふくらはぎの筋ポンプ作用は足裏をきちんと使って歩くことで発揮される。ポイントは、地面を強く蹴ること。これができると、次の足が前に出やすくなり、歩幅も広がって、多くの筋肉を使う理想的な歩き方になる。

2、優しくさすり上げる
足を少し高くして両手で足首からひざにかけて、さらさらとなでるようにマッサージする。力を入れる必要はなく、表面をさするだけでOK。これで皮下の浅い部分にあるリンパ管の働きが良くなり、むくみが撮れる。

3、弾性ストッキング
着圧を強めたストッキングは、外側から静脈を圧迫して筋ポンプ作用を高める。
「動物の脚がむくまないのは厚い皮膚が筋ポンプ作用を高めているから。
弾性ストッキングは人にとって、“厚い皮”の代わり」(濱本さん)。

4、深呼吸する
胸とお腹を隔てる横隔膜を上下させると、脚からの血流の戻りが良くなる。歩きたくても歩けない時は、大きく背伸びして深呼吸を何度か繰り返して。足首回しや、つま先を前後に動かす運動を加えるとさらに効果的。


下肢静脈瘤は脚の静脈の弁が壊れ、心臓に戻るべき血液の一部が逆流して血管がこぶ状にふくらみ、皮膚にその姿を現す病気です。
女性では、妊娠をきっかけに発症する人が多いですが、基本的には加齢性の病気で、立ち仕事の人や脚の長い人などがかかりやすいと言われています。
静脈瘤ができるのは皮下の比較的浅い場所にある静脈で、大きく二つのタイプに分けられます。一つは、足首から太ももの内側にかけて走る伏在静脈やそこから枝分かれした側枝静脈など比較的太い静脈にこぶができるタイプ。皮膚にぼこぼこと太い血管が浮き上がります。一方、皮下を走る太さ数mmのごく細い静脈で局所的なうっ血が起きた場合は、拡張した血管が赤紫色や青く透けて見えるようになります。
脚のむくみや痛み、寝ている間に脚がつるといった不快な症状を伴う場合も有りますが、何より、女性にとってはその見た目が気になる病気です。
対策はタイプによって違いますが、治療の基本は、薬で固める、焼く、除去するなどで病気の血管を消してしまうこと。その方法は年々進歩しています。例えば、“ぼこぼこタイプ”では、「従来の手術は入院が必要でしたが、近年、日帰りが可能になりました。手術と同等の効果がある血管内レーザー治療を行う施設も増えています」と阿保さん。
“血管拡張タイプ”では、弾性ストッキングによる圧迫がケアの中心で、一部に薬を注射して血管を固める硬化療法が適応される程度でしたが、外からレーザーを当てて消す方法も新登場。残念ながらこの治療はまだ一部でしか実施されていません。ここでは、現在普及している治療法を紹介します。

伏在静脈(ぼこぼこタイプ)

足首から太ももの内側にかけて走る伏在静脈に静脈瘤ができたケース。
ここから枝分かれした側枝静脈にこぶができた側枝静脈瘤ではこれよりやや細い血管が浮く。→ 薬の注入(一部)日帰り手術 血管内レーザー

網目状静脈瘤(血管拡張タイプ)

皮下に無数にある太さ2~3mmの静脈で局所的に血液のうっ滞が起こって拡張したもの。
血管が青っぽく透けて見える。太さ1mm未満のごく細い静脈が拡張した場合は「クモの巣状静脈瘤」と呼ばれる。→ 薬の注入(一部) 弾性ストッキング

静脈瘤の対策

体の負担が少なく、副作用の出にくい治療として急速に広がりつつあるのが血管内レーザー治療です。
レーザーを照射するファイバーを静脈に挿入し、熱エネルギーで内側から血管をつぶす治療で、「必要に応じて血管の上部を縛って切除する処置を加えれば、ぼこぼこタイプの静脈瘤(伏在静脈瘤と側枝静脈瘤)のほとんどすべてが治療できます」。04年からいち早くこの治療に取り組んでいる阿保さんはこう話します。
ファイバー挿入の際は針を用いるので傷はほとんどなく、通常15~45分で治療は終了します。そのまま歩いて帰宅できるうえ、内出血や痛み、色素沈着といった副作用の出るリスクが少ないのがメリット。「今のところ再発率の低さでもストリッピング手術より期待できる感触を持っています」と阿保さん。
とはいえ、新しい治療だけにその技術には医療機関ごとの格差があるのも事実。そのため阿保さんは医療機関選びのポイントとして、①血管外科が専門の医師であること②レーザー治療以外の選択肢や副作用について詳しく説明してくれる③血管内レーザー治療の実績ができれば100例、少なくとも50例以上ある  という三つの条件を挙げています。
レーザー機器は種類が多いので、高波長のレーザーを使っているかも、できれば確認したいところです。